どうも、サラリーマンで複業家のまつもとです。
先日、経済産業省・関東経済産業局主催の『地域における多様な人材活用や域外企業との協働・共創を実現する「地域の人事部」構想セミナー』にお誘いいただき、いちリスナーとして参加してきました。
第一部では「地域中小企業における外部人材の活用と地域ぐるみの支援のあり方」をテーマに「複業活動(通称:複活)」のプロジェクト報告などがあり、 第二部では「アトツギ経営者×プロ人材の新規事業創出モデル事業」についてのパネルディスカッションがあったりと、複業を実践している身としても学びの多い場でした。
いつもの記事とは少し趣向が異なりますが、この記事ではセミナーをきっかけに再認識した「複業人材活用のポイント」をまとめていきます。
複業に興味がある人、特に地方副業も視野に入れている人はぜひご覧ください!
- 複業に興味があって、これから始めたい!
- 地方副業に興味がある!
- 複業はもう実践しているけど、最近の動向や複業に重要なポイントを押さえたい!
「地域の人事部」構想セミナーから見えてきた「複業人材活用のポイント」とは?
普段は意識しないことも多いですが、国や地方自治体は、社会課題の解決に向けて数多くの活動を実施しています。
今回のセミナーの中心テーマだった「地域の人事部構想」も、経済産業省・関東経済産業局が「地域の中小企業の人手不足への対応」や「社会環境の変化を受けた経営の質の向上」に向けた取り組みで、関係自治体・商工会議所・地域金融機関・採用支援事業者・教育機関・民間企業などが連携して、地域ぐるみで多様な人材を確保していこうというものです。
この「地域の人事部」の考え方は、私が実際に複業をして感じてたニーズや課題感と一致している点が多く、とても意味のある取り組みだと思います。
羅列する形でのまとめにはなりますが、セミナーで出てきた話の中でも、私が特に大事だと思ったポイントを紹介します。
複業人材が地方で求められる流れが確実にきている!
このブログでもよく「地方副業」を取り上げています。コロナ禍でリモートワークが広がったことも一因ではありますが、地方で複業人材が求められているのはそれだけが理由ではありません。
ひとつは労働者人口の減少です。日本全体で少子高齢化が進んでいますが、特に地方では、首都圏と比べて若者の流出が顕著です。首都圏の企業以上に、中核人材の採用に苦労している面はあるでしょう。
もうひとつは、外部環境の変化です。コロナもそうですが、技術革新や消費者ニーズの急速な変化に対応する必要が生じています。そのためには、優秀な人材の確保はマストです。
こういった背景があって、複業人材の活用が地方でも広がっているのでしょう。
複業人材確保では「点的な支援」ではなく「面的な支援」を行うべき!
複業人材の確保は、口で言うほど簡単ではありません。私も複業をする中で、地方自治体の担当者やマッチングプラットフォーム運営者と意見交換をすることがありますが、「企業と複業人材がうまくマッチングしないケースも決して少なくない」というのはよく聞きます。
ただでさえマッチングが容易ではない中で、マッチング(複業人材の採用)を企業だけに任せていても、なかなかうまくはいかないでしょう。契約の内容、報酬の水準、案件の進め方などはつまづきがちなポイントのようです。
その点、「地域の人事部」として関係自治体、商工会議所、地域金融機関など、地域が一体となってサポートしてくれれば、マッチングの成功率もきっと高まると思います。
実際に私が複業をした中でも「地方副業をとてもうまく運用できている」と感じた鳥取県や福島県は、「マッチングプラットフォームを使う民間企業に補助金を出す」という金銭的な支援だけではなく、マッチング前(複業人材活用の啓発活動、課題の明確化や切り分けなど)、マッチング中(人材採用プロセスでの伴走など)、マッチング後(複業人材活用の伴走など)の総合的なフォローが優れていました。
成功しているエリアの例を参考にしていくことも、今後は必要になるでしょう。
複業人材の採用時は、報酬や能力だけじゃなく、共感や信頼関係を大切に!
人材を採用するときには、どうしても「報酬の水準」や「能力(専門的なノウハウ)」に目がいきがちです。
ただ、複業人材の活用がうまくいくかどうかは、「企業のやりたいことに共感してくれるか」、「信頼関係を築いていける人間性を感じるか」により左右される傾向にあります。
私自身、この点は複業をしていて痛感しているところです。複業人材の活用といっても、あくまで「人と人」のことだからこそ、中長期的なパートナーシップが結べるかどうかが重要だと思います。
今回スピーカーとして参加していたプロ人材の方々は、セミナーを聞いているだけでもコミュニケーション力を感じるような人たちでした。複業で企業を支援するには能力も必要ですが、それ以上に人間力が必要だなとあらためて感じます。
企業と複業人材との間に第三者が挟まることでプロジェクトの成功率があがる!
セミナーの中で、企業の経営者から「企業と人材のマッチングにあたっては、第三者が間に挟まるほうがいい」という話がありました。
ひとつは、先ほども説明した通り、契約や金額交渉など慣れないことも多い中で、サポートがないと複業人材活用をうまく進められないためです。間に入った第三者が、企業側・複業人材側それぞれに対してサポートをすること、つまりキーパーソンにより支援が重要といえるでしょう。
もうひとつは、企業の経営者に対し、「複業人材を活用する、マネジメントするのは企業側の役割である」という心構えを植え付け、複業人材を活用する体制(社内での担当者任命・チーム組成、予算確保)を整えるように促す役割がとても重要で、それを第三者がいることで担えるからです。残念なことですが「プロジェクトを複業人材に投げっぱなし」でうまくいかないケースが少なくありません。間に入るキーパーソンとしての第三者や「地域の人事部」が、ますます重要な役目を担うようになると思います。
私が仲間と立ち上げた「BRMz」という複業人材コミュニティも、まさにこの第三者の役割を担いたいなとぼんやり考えていました。今回のセミナーをきっかけに、BRMzとして貢献できるところが見えてきたように思います。
まとめ|「地域の人事部」構想から考える複業人材活用のポイント
今回は関東経済産業局主催の「地域の人事部」構想セミナーをきっかけに考えた「複業人材活用のポイント」をまとめました。
複業人材の活用は、首都圏だけではなく、地方でも広く求められています。むしろ一部の地方のほうが、より積極的に複業人材を活用し、そのノウハウも蓄積し始めているようにも感じます。
私が複業を実践してた実感としても、複業人材の活用をいち企業だけの課題とせず地域全体でサポートすること、能力だけでなく総合的な人間力を見極めた採用を行うこと、キーパーソンとなる第三者が間に入りマッチングの精度向上やプロジェクトマネジメントの役割を担うことが特に重要です。
個人としてもBRMzとしてもその一部を担っていきたいと思いますし、各地域の関係者の方々が協力する場面が、今度ますます増えてくるといいなと思います。
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