どうも、サラリーマンで複業家のまつもとです。
複業・副業を始めるタイミングで必要になるのが「契約書」です。複業・副業の内容によっては契約書を締結しない場合もありますが、期間が長くなればなるほど、業務の複雑性が増せば増すほど、契約金額が高くなればなるほど、しっかりと契約書を締結しておいたほうが無難しょう。
私自身も、契約書を締結するケースとしないケースがあります。ただ、期間が非常に短期(例えば1日とか)であったり、仕事の内容がとてもシンプルな場合を除くと、基本的にはちゃんと締結しておくほうが、お互いにとっていいと思っています。特に企業とのやり取りの場合は、契約書を結ぶことのほうが圧倒的に多いと思うので、最低限の知識は備えておきたいところです。
この記事では、契約書の種類と、契約書に入れるべき内容について説明していきます。最後は契約書の案文も公開していますので、ぜひ参考にしてください!
- 複業・副業するときに契約書って必要なのか知りたい!
- 契約書にはどんなことが書いてあればいいのか教えてほしい!
- 参考になる契約書の案文を見たいのでテンプレを公開してほしい!
複業・副業で一般的な契約形態とは?雇用契約?業務委託契約?
複業・副業を行う場合、大きく分けて2つの契約形態が考えられます。ひとつは雇用契約、もうひとつは業務委託契約です。
割合としては業務委託契約のほうが圧倒的に多いでしょう。雇用契約を結んでの複業・副業は禁止されていることも多いですし、仮に雇用契約の場合、契約書は企業側が必ず用意しているので、契約書で悩むことはほとんどありません。
業務委託契約は、さらに「請負契約」と「委任(準委任)契約」とに分かれます。請負契約は成果物が明確で、業務の完了・成果物の納品を持って対価が発生するものですが、一般的に「業務委託」といってイメージするのは「委任(準委任)契約」のほうでしょう。
細かいことを抜きにすると、複業・副業をする方の多くが、「業務委託契約」として「準委任契約」を締結することになるはずなので、最低限そのポイントさえ押さえればいいと思います。
※ちなみに、「委任契約」は法律行為に関わる事務を委託する契約、それ以外の業務を委託する契約が「準委任契約」です。
複業・副業の契約書に入れておくべき項目とは?
ここから先は、準委任契約としての業務委託契約を念頭に置いて話を進めていきます。
業務委託契約書を結ぶにあたって、最低限入れておきたいものは以下の7つです。
- 業務の内容
- 業務委託料の金額、支払タイミング、支払方法
- 契約期間・解約の方法
- 契約の解除条件
- 秘密保持
- 反社条項
- 免責補償
この7つについて、順番に見ていきましょう!
業務の内容
基本的ですが、業務の内容を定めるのはとても重要です。
複業・副業に限りませんが、仕事をしていくうちに、いつの間にかあれもこれも依頼をされてしまい、当初受けた業務とは大きく変わってしまうケースも少なくありません。
後で揉めて関係がこじれるのはもったいないです。シンプルな業務内容だとしても、できるだけ具体的に記載しておきましょう。
業務委託料の金額、支払タイミング、支払方法
業務委託料についても、しっかり明記しておきましょう。消費税別なのか消費税込みなのか、その金額には何を含んでいるのか(例えば交通費などは含んでいるのかどうか)、支払いのタイミングはいつなのか、支払方法はどうするのか、細かいですがこのあたりも定めておきましょう。
銀行振り込みのケースが圧倒的に多いと思いますので、その場合の振込手数料をどちらが負担するのかも明記しておくと安心です。
契約期間・解約の方法
契約期間も必ず明記しておきましょう。
あわせて、解約はいつまでの申し出が必要なのか、自動更新するのかどうかも定めておきます。個人的には、片方にだけ解約の権利がある状態にはせず、双方に解約できる状態にしておくのがおすすめです。
ただし、急な解約の場合は相手方に迷惑をかけてしまうケースがあります。業務内容によっては、十分な解約予告期間を設けておく必要があるかもしれません。
契約の解除条件
契約の解約だけでなく、解除についてもあらかじめ握っておきましょう。
解除は、相手が契約に違反した場合などに、「一方的に」契約を打ち切ることができる強い権利です。あまり想定はしたくないですが、後々揉めてしまうリスクもありますし、しっかり定めておきましょう。
秘密保持
複業・副業人材を活用する上で、企業側が警戒することのひとつが「情報流出」です。
秘密保持について契約書で謳っておくことで、企業側に安心感が生まれますし、複業・副業人材側としても、提供したノウハウを一般に公開されるのを防ぐことにもつながります。
双方にとって重要な条項ですので、必ず盛り込むようにしましょう。
反社条項
これはもう説明不要でしょう。反社会的勢力の排除に関する条項です。
企業から業務を委託される場合、必ず反社条項を入れてくると思いますので、しっかり内容を確認しましょう。
免責補償
個人として業務を受託する場合は特に、損害についてもリスクヘッジをしておく必要があります。
例えば、複業・副業人材の助言をもとに行動した場合でも、最終的な採否の権利は企業側にあるため、それによって損害が生じても責任を負わない旨を定めておくことは多いです(ただ、故意または重過失の場合にはこの限りではない、とされるケースが多いように思います)。
加えて、天災地変などの不可抗力を事由とした免責も入れておくといいと思います。
この7つ以外にも、いわゆる「善管注意義務」や「誠心協議条項」、「合意管轄の裁判所」など、契約書によく入れ込むものも入れておくとベターです!
複業・副業で使える業務委託契約書の案文を無料公開!
↑でいろいろと説明しましたが、正直イメージしづらい部分もあると思います。
そこで、参考として、業務委託契約書のテンプレートを公開します。これまで複業・副業でそれなりの数の契約書を締結する中で蓄積した知見を集約したものです。
この記事で説明した事項はすべて入っているので、もし企業側が業務委託契約書の雛形を持っていなければ、こちらを参考にしてもらえればと思います。
※契約は、当事者同士が合意のうえで締結するものです。この雛形でトラブルが起きたことは私自身ありませんが、あくまで「こんなものを使っているケースもあるよ」という事例の紹介ですので、参考にする際は自己責任でお願いします!
まとめ|複業・副業で使う契約書って?雛形は?【業務委託契約書のテンプレート無料公開】
今回は、複業・副業で使う契約書をテーマに、契約の種類や契約書に入れ込む内容を説明しました。
複業では、多くの場合、準委任契約として業務委託契約書を締結することになると思います。紹介した雛形も含めて、ぜひこの記事を参考にしてください。
複業・副業も、ビジネスであることに変わりはありません。明確にすべきことは漏れなく明文化したうえで、仕事に集中できる環境に取り組んでいきましょう!
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